DMの一生
DMとはダイレクトメールのこと。
- 宛名の住所に届けられる
- 秘書にスクリーニングされる
- ターゲットにリーチ
- 開封される
- 見られる(興味を引く)
- 読まれる(つい引き込まれる)
- さらに読まれる(共感する)
- 納得される
- (熟成される)
- 担当者に回される
- (熟成される)
- 問い合わせに使われる
が、DMの一生です。
キャッチコピーは次の一行を読んでもらうためにある!
DMのメッセージ、特に前半部分は、唯、次の行を読んでもらうために作ります。
多くの場合、キャッチコピー的な文言をページの一番上に大きな文字で目立つように入れます。
そして、その文章の役割は、主に
- 「お、俺のことだ!」
- 「うそぉ!マジで?」
- 「読まないと損するかも!」
と思わせて、次の行を読ませることです。
DMの良いところは「客を選べること」ですが、基本通りに社長または経営幹部に送っているのであれば、「***な経営者の皆様へ」と書けば、「む、俺のことか?」と思ってくれます。
ここで他人事と思われたら、その次の行は読んでくれません。そして、ゴミ箱に行きになり、あっという間にDMの一生は終了します。
また、自分で試したわけではありませんが、「損してますよ」というメッセージは、「得しますよ」よりもパワーが強い、と言われています。ただし、「損してますよ」はあまり使いすぎるとブランド価値を下げる可能性があるので注意が必要、なのだそうです。
ここで、キャッチコピーの(あくまで私視点の)失敗例を一つ
(せっかくDMを送っていただいたのにすみません。)
私の目の前に自動車保険の「お見積り書在中」のDMがあります。中にはパンフレットが入っていて、表紙に大きく
「あなたにぴったりの自動車保険、見つかりましたか?」
と書かれています。パンフレットを手に取った時、一番初めに目に入ってくるメッセージです。
いわゆる「キャッチコピー」です。
それを読んだ私が何を思ったかと言うと、
「いい保険が見つかってないから見積もり頼んだんじゃい!」
です。もう、ゴミ箱に放り込みたくなります。
もし、このメッセージが、
「まだ契約してはいけません!選ぶ前に必ず読んでください!『保険選びの3つの落とし穴』」
だったら、どうでしょう?私なら、迷わず中身を読みます。
そして、『保険選びの3つの落とし穴』で教育して自分のサービスに誘導すれば、もしかしたら私も契約しちゃっていたかもしれません。
「そんな冊子作れない」と思う方もいらっしゃると思いますが、このDMを送ってきている人は、「自動車保険のプロ」なんですから、簡単なはずです。
この二つのメッセージの決定的な違いは何かと言うと、それは、「立場」です。
失敗メッセージは、
「売りたい人 vs お客さん候補」
となっているのに対して、良いメッセージは、
「教えてあげる人 with 教えてもらいたい人」
となっています。営業DMもメッセージ次第でお客様の味方に大変身です。
さらに、このDMには封筒に
「自動車保険、何で選びますか?」
というメッセージが書いてありました。
このメッセージに対して、
「え、何で選べばいいんだ?中にアドバイスが書いてあるのか?」
と思ってくれる方がいて、封を開けたとします。そこに、
「あなたにぴったりの自動車保険、見つかりましたか?」
です。
「自動車保険をどうやって選べばいいのか知りたい」と思って開けてるのに、さらに別の質問を投げかけられたら、私でなくても捨てたくなると思います。
そこで教訓
キャッチコピーを読んでも続きを読む気にならなければ、その後にどんなにすばらしい商品説明が書いてあっても、誰も見てくれません。
と、いうことはその時点で「売り上げゼロ決定」です。
「マーケティングは掛け算」なのです。