「農家でないと農地を買えない、借りれない」
「農地がないと農家になれない」
今ではよく知られているこの矛盾。
市役所の農政課に「農家になるにはどうすればいいんですか?」と聞きに行くと、
「認定就農者」になる方法を教えてくれます。⇒「十勝で認定就農者になる方法」はこちら
突然出てきたこの「認定就農者」っていったい何なんでしょう?
「農家になるには誰かに認定してもらわないといけないの?」
「農家って許認可制なの?」
いえいえ、そんなことはありません。農業を「やる」には、土地を買って、耕して、作物を植えれば良いだけです。(とは言え、農家になって生計を立てることは簡単ではないですが)
認定就農者とは、「道知事に就農計画を認定された農家」の事で、この認定を受けると様々な補助金を申請する権利を得ることができます。就農研修期間中や就農時には、まだ稼ぎがないにもかかわらず、結構なお金がかかるので、その際にお金を借りたり補助を受けたりするための認定制度なのだそうです。
つまり、お金が潤沢にあって、農地を購入するコネも持っている人であれば、「認定就農者」にならなくとも農家になることはできます。
しかしながら、使える制度は使えばよいし、もらえるお金はもらえばいいんじゃないでしょうか。
さて、就農の矛盾の話に戻りましょう。
「農家でないと農地を買えない、借りれない」とは、正確に言うと「地域の農家の方々と農業委員会に認めてもらった人でないと、農地を買ったり借りたりできない」ということです。
先ほど登場した「認定就農者」になるためには、就農研修という研修を受ける必要があるのですが、この研修が、実は農家として認めてもらうための研修の意味合いもあるようです。地域の方々と農業委員会に認めてもらうためには、必ずしも就農研修を受けなければいけない訳ではないのですが、手段はともかくとしても、どこかで信頼関係を作る必要はあります。
ちなみに、農地の取引は、地域の「農業委員会」を通して行いますので、「農地を購入するコネ」とは農業委員会とのつながりであったり、実際に土地を売ってくれる農家の方とのつながりであったりします。
人と人との関係が極めて重要な鍵になっているのですね。