顧客が持つ情報量が圧倒的に多くなっている。
ちょっと知りたいことがあって、郵便局に行った時のこと。
事前にインターネットで調べてから、郵便事業会社の窓口で問い合わせたら、
(すでに私が知っている)郵便局のWebサイト上の情報が出てくるまでに20分ぐらいかかった。
一番の収穫は、郵便事業会社の窓口で働いている人の人柄が分かったこと。
物を送るには、実際に窓口に荷物を持って行かなければならないので、
「窓口の人は、一生懸命顧客の問い合わせに対応しようとしてくれる」
と言うのは、重要な情報だ。
しかし、既に知っている情報が出てくるまでに20分待たされるのは、
さすがに気分のいいものではない。
昔、営業マンの方が圧倒的に情報を多く持っていた時代には、
商品を売るために良いことだけをお客さんに伝えていれば良かったのだけれど、
今では、良いことどころか悪いところまでお客さんは知っていたりする。
営業マンが、逆に足元を見られてしまう。
そうならないように、営業マンが勉強しなければいけないのは確かだけれど、
人依存から抜け出すのが一番だと思う。
とはいえ、どんなに多く情報を持っていても、お客さんは「もっと知りたい」と思うものなので、
「あなたは全て知っています」
と言ってくれる営業マンは必要になるだろう。
つまり、情報提供ではなく、安心を与えるのが営業マンの仕事になっていくのではないだろうか?
人に聞いた話だけれど、帯広市のある大手家電量販店では、商品について質問すると、
「あっちのお店で聞いてきてください。良く知っているので。でもこっちの方が安いのでこっちで買ってください。」
なんてことを言うらしい(本当かな?)。
それって同じことを自分もやられてるんだよね。
お店で触って、(安い)ネットで買うなんて言うのは、今時常識になっているし。
営業マンが売るのは商品ではなく、安心だ。
とすると、マーケティングの役割は、営業マンが伝えなくてもいいように、
「良いことも悪いことも包み隠さず、正しい情報を顧客に伝えること」
そして、安心するために
「営業マンの前まで来てもらうこと」
だろう。
家電量販店の営業の人!安心売ってますか?
今回は、商品(あなたです)の話。
自分を商品に見立てて、ニーズ、ウォンツを考えてみよう。
企業はあなたを採用する必要性はあるだろうか?
企業はあなたを採用したいと思うだろうか?
両方ともYesの人は、もう、面接に行ってください。
さて、「ニーズ・ウォンツ」に自信がないと思った人は、どうすればいいだろう?
『あなたを採用する必要(ニーズ)がある』と思ってもらうにはどうすればいいか?
まず、「企業がどんな人材を必要としているのか?」を知らなければならない。
募集要項にも書いてあるかもしれないけれど、勇気を出して直接聞いてみよう。
採用担当に電話して、一通りの挨拶をした後、「御社の新卒採用への応募を検討しているのですが、どのような人材を必要とされているか教えていただけますでしょうか。」と言うだけ。
募集要項に書いてあるようなことを答えるか、「不公平になる」とか何とか言って教えてくれない可能性もありますが、もし教えてくれたらちゃんとメモして面接で使いましょう。
商品(あなた)を魅力的に見せる武器にもなります。
「ニーズ」を聞けなかったとしても大丈夫。
大概は、こんなもんです。
性格面で、
- 向上心がある人
- リーダーシップがある人
- 行動力がある人
- 協調性がある人
- 真面目で誠実な人
能力面で、
- コミュニケーション能力が高い人
- 物事を論理的に考えられる人
で、これらを判断する材料になるのが、まずは経歴。
ボランティア活動の経験がある人は、行動力・協調性のポイントアップ。
インターンは行動力のポイントアップ。
サークルや部活などの代表をやっていれば、リーダーシップのポイントがアップ。
留学やセミナーは、向上心のポイントがアップ。
色々参加すれば、ポイントをアップできます。
そして、「なぜそんな活動をしたのか(動機)」、「どのような活動だったのか」、「その活動から何を学んだのか」、「その活動は、自分の将来にどんな役に立ちそうか」ぐらいは自分の言葉でしゃべるようになっておきましょう。
能力的なポイントや「まじめで誠実」のポイントは面接で判断されるけれども、これらは急には作ることができません。
日頃から意識する他ないです。
『あなたを採用したい(ウォンツ)』と思ってもらうにはどうすればいいか?
採用担当者が「採用したい」と思うのは、面接の時。
そして、その要素はズバリ「雰囲気(見た目や人柄)」。
もう、こればっかりは面接者の好みなのでどうしようもない、と思うかもしれないけれども、一つだけポイントアップの手があるんです。
それは、相手を気持ちよくさせちゃうこと。
どうすれば面接官が気持ち良くなるかと言うと、面接官でなくてもだれでも同じなんだけど、「たくさんしゃべらせること」。
人は「聞くより話す方が気持ちいい」基本的にはみんな同じ。
いろいろ質問して、たくさんしゃべらせちゃおう。
自分のことは全然アピールしなくても、相手がしゃべって気持ち良くなっちゃえば、あなたの「ウォンツ」ポイントはアップ間違い無し。(ホントに全然アピールしなかったら、採用されないと思うけど)
まとめ
まとめると、
- 応募する前に調査をすること
- いろんな活動に参加すること
- 面接では一生懸命質問すること
ということです。
に、加えて、自分のウィークポイントを知ることも実はかなり大切なことなので、もし、不採用になった時には、ちゃんと理由を聞いてください。
「どうせ、採用されないんだから」と開き直って、とことん突っ込んで聞いてみよう。
そして、不足していたポイントを補うための活動をしてくださいね。
「就職活動ってマーケティングだよね」の続き。
購買(採用)行動は?
ところで、企業側の採用活動をいわゆる「購買行動」に照らし合わせると、大まかには以下の流れになっていると思われる。
- (応募で)認知する
- 興味を持つ
- (書類で)評価・比較する
- 会ってみたいと思う
- (面接で)評価・比較する
- 採用したいと思う
- 調整する(部門とか)
- 内定を出す
1~4が書類選考、5以降が面接、と言うことになるのかな。
面接の回数は会社によって違うけれども、1回だけと言う会社は聞いたことがないので、5と6は複数の人によって何回か行われる。
それぞれのステップで、先に進むための戦略が必要だ。
まず、書類。
前にも書いたけど、最近の学生は書類をしっかり書く人が多いし、内容に関しては別に言うことはない。
が、書類選考は、「書類を書いて送れば終わり」ではない、と私は思う。
最近は、就活を支援する会社のWebサイトからエントリーする人が多いのかもしれないが、
敢えて「電話して応募書類を送らせてください、とお願いしてから直接応募してみる」
とか、
「書類を送付(エントリー)したら、確認の電話をしてみる」
ことによって、「他の学生とは少し違うかも」と思ってもらうことができるんじゃないかな。
特に、電話をすると直接のコミュニケーションが発生するので、
相手は「いい感じだった」または「全然だめだった」のような感想を持ってしまう。
うまくいけば、その時点で他の学生を一歩リードできる。
それに、「確認の電話をする」は、仕事をする上でとても重要だったりするので、電話をするだけで好印象を与えることはほぼ間違いない。
旨く電話できれば、きっと、相手は「会ってみたい」と思うはず。
(面接の前に適性検査があったりする場合もあるけど、それは何とかクリアしてください)
面接に進んだら、いろんな角度から観察されるけど、「対等な立場なんだ」ということを忘れてはいけない。
「こっちだって会社選びの最中だぜ」
と言う態度で臨もう。
「職場の雰囲気はどうか」
「入社したらどんな部門でどんな仕事をするのか」
「福利厚生や給料や勤務時間(残業)などの条件はどうなっているのか」
「どんなスキルが身に付くのか」
「どんなステップアップのチャンスがあるのか」
などなど、会社を比較しようと思ったらいろんなことを聞かなければいけないよね。
それがそのまま相手には「この人は真剣に我が社に興味を持っている」というメッセージになるし、本気で興味を持って聞いていれば良い質問もできる。
そうすれば、面接官も「採用したい」と思ってくれるはずだ。
最近は景気が悪くて、「会社を選べるような時代じゃない」なんて弱気になっている学生もいるかもしれないけど、全くそんなことはないと思いますよ。
会社だって、学生に選ばれようと必死ですから。
昨今の就職活動は、タイミングが早い。もう、3年生の時から動いている。
3年生なんて、研究室も決まっていないだろうに。(最近は違うのかな?)
研究という売り物が無いので、できることと言えば、
「履歴書を充実させる」
「面接で聞かれそうな質問の答えを作って暗記する」
ぐらい。
そのせいかどうかは分からないが、最近の学生の履歴書は私が就職したころ(十数年前。就職氷河期と言われていた)に比べて、非常に内容が濃いというか、たくさん書いている。
そして、面接では、見事な「セリフ」。
でも、そこから読み取れるのは、「私は御社の役に立ちます」ではなくて、「一生懸命準備しました」と言うメッセージなんだよね。
こんな「周到な準備」により、履歴書や「良くある質問」に対する回答がハイレベル(?)&均質化する一方で、実はコミュニケーションや考える力はピンキリ。
意表を突いた質問やその場で考えてもらったりすると見えてくるんだけど、「なぜこんなに差がつくの?」と驚くほどに個々の力の差は大きい。
そんな就職活動だけれども、これも一種のマーケティングとして考えてみた。
これから就職活動をする普通の学生が「こういうことを考えればいいのか!」というヒントを得てくれればと思う。
普通の学生が商品を投入(応募)すべきマーケット(企業)は?
まず、どんな企業に応募するか、と言う話ですが、従業員が会社から得るモノは、基本的には「給料」と「仕事の経験(キャリア)」。
特に、学生にとってはそれ以外は入社してみないと全く分からない。
職場に恵まれれば、社内での良い人間関係やお客さんも得ることができるし、経験を積んで責任が大きい仕事を任されるようになると、「やりがい」を感じるようになるけれども、入社前には全くの未知数であることが普通。
なので、どれだけの給料をもらって、どんなキャリアを形成していきたいのか、と言うのがマーケット(応募する会社)選びでは大切になる。
新卒を採用しようとしている会社は、「先輩の声」などによって、職場の雰囲気を学生に伝えようとはしているが、それも結局は作られたものなので、入社してみないと分からない。冷たいようだけれども、それが現実。
つまり、
・給料:いくらか?
・キャリア:どんな仕事をするのか?(募集要項を見ても分からなかったら、会社に電話かメールして聞きましょう)
が自分の希望とマッチする会社を探せばよい。
「仕事をしたこともないのに『やりたい仕事』なんて分からない」と言う人は、将来の自分の姿を思い描いて、「こんな仕事をしていたらかっこいいなぁ」と思える仕事を適当に選ぼう。
勤務地や休日も人によっては重要になるので、要チェック。
それともう一つ、
直感的に「その会社で自分が働きたいと思えるかどうか」も意外と重要。
元々印象が悪かった会社に入社すると、その偏見のせいで「やる気が出ない」と言うことになる可能性もある。
ちなみに、私は会社の「業種」と「業績」を見てファナックを選んだ。
正直、自分のキャリア形成なんてことは頭になかった。辞めることになったのはそのせいかもしれない。
給料はとても良かったし、職場の仲間もいい人たちばかりだったのだけれど。
大化の改新は、中大兄皇子と藤原(中臣)鎌足が権力を独占し好き放題やっていた蘇我入鹿をうち滅ぼす、という話。
中大兄皇子と藤原鎌足が正義の味方で、蘇我入鹿は悪玉になっている。
しかし、これには異説もある。
大化の改新の事件そのものに異論もあるようだし、その後の日本書紀に書かれたことを深読みすると、中大兄皇子は民衆に嫌われていたとか藤原鎌足(藤原氏全般?)は祟られていたとか、そういう読み方もできるのだとか。そして、そう読めば、中大兄皇子と藤原鎌足は正義の味方ではないということになる。
私は、歴史家ではないので、「どっちが正しいのか?」なんてことはどうでも良い。
日本書紀をマーケティングツールと見る
日本書紀と言うのは、藤原不比等と言う人の息がかかっているらしく、藤原氏のマーケティングツールと見ることもできそうだ。そこから、どんなことが言えるのかについてえてみたい。
まず、商品は藤原さんの家系というか血脈と言うことになる(ちなみに、藤原氏の末裔は今でも天皇の周辺にたくさんいる。知り合いにはいませんが。)。
広報の仕事は、その「藤原氏」ブランドの価値を高めること。
ブランド価値というのは、その「ブランドに対するファンの数」とイコールだ。
したがって、ブランド価値を高めるには、「藤原氏」ブランドの認知度を上げ、藤原氏っていうのはこんなにみなさんの役に立ってるんですよ、と言うことをアピールしなければいけない。
そこで、「ファンづくりのためのポジショニング」として、大化の改新と言う事件を利用して、正義の味方というポジションを選んだ。
この頃(8世紀)と言うのは、ほかにも「**氏を滅ぼした」的な事件は色々とあったらしいのだが、どうやら「正義の味方」のポジショニングのために使われた事件は一つだけのようだ。
客観性を欠くと情報の信頼度が下がってしまう
「日本書紀と言うのは、藤原氏が広報のために色を付けてるらしいよ」
と言うことが客である民衆(我々も含む)にあからさまに知られてしまうと、日本書紀自体の信頼性が下がる。それでは、ファンを作るどころか読者はしらけてしまう。
「正義の味方」としての広報が他に見当たらないのは、日本書紀の信頼性を保つためかもしれない。
今も残っている当時の書物は日本書紀ぐらいしかないのだろうけれども、おそらく、当時、他にも書籍や新聞的な書き物もあったことが予想される。栄華を誇った藤原氏がそれらを駆使していないとは考えにくいので、色々やったのだろう。
日本書紀は、今でいうと、NHKの番組に出演したと言うようなところだろうか。
藤原さんはなぜファンづくりが必要だったのだろうか?
当時の人々は「神と祟りを恐れていた」ということがヒントなのではないかと思う。
話はそれるが、当時、雷と言うのは祟りの象徴だったらしい。雷で亡くなる人がいると、「その人は祟りで死んだ」と言われた。
なので、日本書紀に登場する雷は、本当に雷が落ちたということではなく、祟り、つまり「その人は悪いことをした」ということを暗に言っている、という解釈もできる。
雷に打たれないために、「人に祟られないための評判」が欲しかったのではないか、大化の改新はそのための広報活動である。逆の見方をすると、蔭ではかなり悪いことをしていたのかも知れない。
とすると、今現在の歴史教育では「藤原鎌足は正義の味方」と教えられるので、すごーく長期的に見ると、マーケティングは大成功だったということになる。
当時の藤原さん達が雷に打たれなかったかどうかは誰にもわからないけれども、大化の改新はマーケテイング戦略の元祖と言っていいのかもしれない。
「うちの商品は他の店のモノより絶対いい!売れないわけがない」
最初はだれもがそう思います。
それが、しばらく経つと、
「何で売れないんだ!何でこの良さが分からないんだ!」
に変わります。
「モノが良ければ売れる」なんて言うのは、幻想なのでしょうか?
高度経済成長期で、「作れば売れる」という時代は確かにあったようです。
その時は、「モノが良ければ売れる」というよりは、「何でも売れる」時代でしょう。
しかし、今は違います。
最近はどうなっているかと言うと?
「モノが良い」と「売れるモノ」は無関係。
じゃあ、どうすれば売れるかと言うと、「売り方が上手な人」にかかると売れます。
お客さんは、買う前には商品が良いかどうかは分からないので、「その商品に関する情報」で買うかどうかを判断します。
その情報を伝えるのが上手だと売れるし、それが下手なら売れません。
商品自体の良し悪しにはどんな意味があるかと言うと、
- 商品が良ければ、再購入率が高いので、マーケティング費用は少なくて済む
- 商品が悪いと再購入率が低いので、一生懸命マーケティングして常に新規顧客を開拓しなければ儲からない
だけの話です。
もし、
- 悪い商品は開発や製造にかかる費用が少なくて済む
- マーケティングの効率は費用に比例する
と言えるのであれば、結局、儲かるかどうかは、どちらも大差ないと言うことになります。
(「マーケティングの効率は費用とは無関係」と私は思っていますが)
しかし、これは、インターネットが普及する前までのこと!
これからはこうなる!
消費者間での情報共有が進み、悪い商品を買った人は「これは買うな!」とインターネット上で叫びます。
一昔前は、お客さんが入手する情報の大部分は、「売る人からのメッセージ」だったのですが、今は「購入者のレビュー」が大きな力を持っています。
もちろん、「サクラ」を使ってレビューを作ることはできますが、商品の情報は「売り場」だけで共有されているわけではないので役には立たないでしょう。
インターネットによって、「商品の良さ/悪さ」が圧倒的に伝播し易くなります。
商品が悪くてもマーケティングを頑張れば売れる、という時代も終焉は近いのかもしれません。
と、同時に「良いモノが売れる時代」は、目の前に迫っているのかもしれない。
特にインターネット網が発達している都市部では、すでにそういう状態のところもあると思います。
しかし、例えば私が住んでいる十勝におけるインターネットの広がり方などを見る限りでは、もうしばらく待たなければならなそうです。
地域差はあれども、確実に「商品やサービスが良ければ売れる」時代は近づいている!
今こそ、
「良い商品/サービスとは何なのか?」
を脳みそに汗して考えるときです!
企業は年または半年単位で予算計画・修正を行います。
予算に関しては、多くの会社は大体期末の2~3か月前ぐらいに検討しているようです。
DM出して、アポ取って、担当者と信頼関係作って、サービスを理解してもらって、場合によってはNDA結んで、お客さんの情報を聞き出して、サービスを提案して、決裁者を説得して、契約書作成して、契約して、なんてことをしていると、2、3か月は簡単に過ぎてしまいます。
特に、見積金額のチェックに資材部門が絡んでくるような会社だと、そっち(資材)の都合で待たされることがあるので要注意です。
私の経験では、金額が小さくても、アポから業務開始まで最短で2ヶ月です。DMを出すところからだと、最短でも3ヶ月。
普通は、DMから契約まで5~6ヶ月かかります。
なので、3月決算の会社なら、10月か11月にはDMを出さないと間に合わないと思っておいた方が良いです。
次の期に間に合わなくても、次々期に入れればいいや、と思っているのであれば、タイミングを気にする必要はないのですが。
半年待ちたくなければ、タイミングを見計らってマーケティングをしましょう。
余談ですが、企業と言うのは、「一見話が順調に進んでいるように見えても実は社内の意見が一致していない」何て言うことはザラです。
そして、予算策定の時期に間に合わなくなると、規模が小さくなったり、最悪話が無くなったりします。
こっちはかなりエネルギーも時間もつぎ込んで提案しているのにも関わらず、お客さんは、「予算が通らなかったので、今回の話はなかったことに」なんて平気で言います。
「この間までは、『説得するから大丈夫』って言ってたじゃないか!」なんて、正直腹が立つこともありますが、そんなときにも自分のせいにして、成長しちゃいましょう。
待たされないために
お客さんとなる会社の契約までのステップを細かく聞いて、今どのあたりにいる、最短でいつごろ契約を結べる、最悪だといつごろになる、と言うのをお客さんと確認しながら打ち合わせを進めると良いです。
その中で、場合によっては、いったん話を打ち切ったり、他のお客さんを優先させる、ということも考えた方が良いでしょう。
- 商品自身が纏っている情報を変える
- タイミングを変える
- 場所を変える
- 顧客を絞り込む
- 用途を絞り込む
- 使い方を変える
の後半の3つ。
顧客を絞り込む
同じものでも、顧客を目一杯絞り込んで専用化することで、高く売ることができます。
「商品の性質」と「絞り込んだ顧客」には一貫性が必須です。
たとえば、
- 最近管理職に昇進したけど、ストレスで鬱になりかけているIT企業勤務の方
- 通勤で毎日駅まで15分以上歩いているどこから見てもメタボの男性
- 週3日以上外食をしている自称セレブ主婦
- 上司の顔を見るのが嫌で毎朝会社を休もうかどうしようか悩んでいる20代OL
- 安全な野菜を食べたいけど、有機野菜の表示は信用できないと思っている50代男性
などなど。
いくらでも思いつきます。
絞り込んだ分見込顧客数は少なくなりますが、「自分のこと?」と思ってくれる人を動かす力は格段にアップします。
用途を絞り込む
同じものでも、用途を目一杯絞り込むことで、高く売ることができます。
たとえば、
- 毎日駅の駐輪場に置かれる通勤用自転車
- 豚肉入りすき焼き用ネギ
- 冬の北海道旅行専用カバン
- 移動距離500キロ以上の出張専用ノートPC
- ダイエット用水泳帽
- 家庭菜園専用長靴
いくらでも思いつきますね。
こちらも用途を絞り込んだ分見込顧客数も搾りこまれますが、競合はほぼゼロになるので、上手に絞れば独り勝ちできます。
使い方を変える
「使い方を変える」とは、「楽しみ方を変える」という意味ですが、ちょっとだけ工夫して、お客さんに新たな楽しみを味わってもらえるようにすると、これまた高く売ることができます。
たとえば、
- 家具や電気製品を「組み立てキット」化する
- 農家なら「**狩り」みたいな観光農園にする
- 洋服のデザインをお客さんにさせる
など。
これらは、いずれも、上流工程をお客さんに体験させるようにしています。
他にも、「捨てるところが無い野菜」、「壊れてもオブジェにつかえる掃除機」などのように、下流工程に価値を付加するという方法もあります。
もちろん、相応の努力は必要ですよ。
勘違いしないでください。
必要なのは、お金ではありません「努力」です。
お客さんも喜ぶ値上げの方法は、以下の6個に分類されます。
- 商品自身が纏っている情報を変える
- タイミングを変える
- 場所を変える
- 顧客を絞り込む
- 用途を絞り込む
- 使い方を変える
(一応、5W1H)
今回は、初めの3つです。
商品自身が纏っている情報を変える
何にでも通用するのが、「ブランド(商品群に付けられた名前のこと)を変える」です。
たとえば、
「レクサスなら高くても買う」と言う人はたくさんいます。
たとえ中身がトヨタブランドの車と同じでも・・・(そんなことはないと思いますが)。
店舗なら雰囲気、モノならパッケージ、サービスなら接客などを変えれば「お客様が喜ぶ値上げ」ができます。
それぞれセンスが必要なので、場合によってはお金がかかるかもしれません。
環境、健康、自然、国産なんかも使いやすいキーワードです。
ただし、嘘をついてはいけませんよ。
タイミングを変える
たとえば、農作物なら他の生産者より早く出荷することで単価を上げることができます。
もちろん、早く育てるための工夫は必要です。
電気製品などでも、早くリリースした方が高く売ることができます。
なので、開発競争は熾烈です。
競合商品が出てくればすぐ値下がりするんですが。
それと、
肉牛は長期間買うほど肉がおいしくなるそうです。
でも、飼育期間を謳った牛肉は見たことが無いですね。
夏にスキー、冬に海、なんて言うレジャー施設も昔(今でも?)あった気がします。
が、これはお金をかけ過ぎ、かつ、撤退障壁が高いのでバツです。
こんなチャレンジができるのは、収益予測がゆるい3セク(昔の話?)ぐらいでしょうか。
場所を変える
異次元にトリップしているお客さんが集まっている場所ほど、高く売ることができます。
そして、高くても喜んで買っていきます。
たとえば、
ディズニーランド、お祭り、映画館、リゾートホテル、夏のビーチ、スキー場
などなど。
昔、アルバイトでたこ焼き屋をやっていた、という友達に、
「ディズニーランドでミッキーたこ焼き売ったら絶対もうかるよ」
と薦めたことがあります(もちろん冗談です)。
(今回はここまで)
「マーケティングはいつやれば効果的なの?」
と聞かれたら、私ならほとんどの場合「今すぐやってください」と答えます。
しかしながら、実はタイミングによって反応が異なる場合があります。
それは、
- 制度モノ
- 季節モノ
- 時間帯モノ
- アクシデントモノ
です。
制度モノ
たとえば、この春のETCのように、売り手や買い手以外が決めるルールによってニーズやウォンツが喚起される商品のことです。
地デジチューナーや地デジ対応のテレビの市場も2011年7月24日の直前に駆け込み需要があるでしょう。なんだかんだいって、地デジが入らない地域もまだ多いですし、特に地方都市では切り替えはこれからです。ちなみに、我が家も地デジが入りません。テレビは地デジ対応ですが(柏に住んでいた時は地デジが映りました)。
たとえば、地デジ関連商品の駆け込み需要にあやかろうと思ったら、期限が近づくまでは、「ギリギリまで買うな」と言うメッセージを流し、直前(2カ月ぐらい前?)に「地デジチューナー/地デジ対応テレビを買うならここを見ろ!」という消費者に対するアドバイス的な広告を出すのが良いのではないかと思います。
季節モノ
スキー用品のように特定の季節にしか使わないモノや果物のようにある季節でしか手に入らないモノのことです。
旅行も売り方次第ではありますが、季節モノと言っていいでしょう。
この間の日食もこの仲間ですね。
時間帯モノ
特定の時間帯で需要が増える商品のこと。
たとえば、スーパーの食料品なんかは、商品ごとに売れる時間帯と言うのが違うはずです。それに合わせて広告なりPOPなりを作ると良いでしょう。
ちなみに、テレビショッピングは、夜中の12時頃にピークがあるのだとか(詳細は知りません)。
アクシデントモノ
自動車保険や生命保険のようにいつ需要が膨らむのか判断が難しい商品のことです。
多くの場合、身近な人が事故に会ったり、病気をしたりしたときに、「私も・・・」となるものだと思うのですが、売る側は予測できませんので、それに合わせてマーケティングするのも不可能です。
何かの本に書いてあったのですが、「最近、空き巣が増えてます」というビラを頻繁に配って、さらに門の横にたばこの吸い殻をたくさん捨てて置いてから、防犯機器を訪問販売する、なんて言うこともできなくはないですけど。
その他
他にも、タイミングとはちょっと違いますが、ある状態になっていると買いやすい、と言う場合もあります。
それは、「シチュエーションモノ」です。
たとえば、デパートなどのように、光が多くて「ハイ」な状態になっている場所では、衝動買いをおこしやすいです。
逆に明かりを落として落ち着いた雰囲気にすると、長居したくなるので「もう一杯いかが?」というのがやりやすくなります。
お酒の場合は、どんな店でも飲みすぎるとハイにりますが、逆に益々飲んでしまいますね。
ポイント
タイミングに依存する商品は、闇雲にやるのではなく、お客さんの意識の上に登りやすくなってきたタイミングを見計らってメッセージを送ると、効率が良くなるはずです。