ときどき、売り上げが思うように伸びなくて「とりあえず値下げ」するお店があります。
当たり前ですが、そんなことで売り上げは上がりません。
一般には、価格と販売数は負の比例関係にあると思われています。これは、大雑把に見れば間違いではありませんが、正確でもありません。
いまどき当たり前かもしれませんが、実際には階段状になるといわれています。
販売数と価格のグラフイメージ
階段の角は切りのいい価格です。なので、198円とか、9800円とか、切りのいい価格の少し手前で値が付いている商品が多いわけです。
そして、縦軸に販売数ではなく売上高や利益をとると、山がいくつかできる形になります。
売上高と価格のグラフイメージ
一番高い山の頂点の価格で売るのがベスト、というわけです。
理屈は簡単ですね。
縦軸を利益にすると、価格が高いほど利益率が増えるので、売上高のグラフよりももう少し右上がりになります。
「安く売ればたくさん売れる」と言うのは真実です。
しかし、上で示した通り、「安く売ればもうかる」わけではありません。
ところが、「安くてもいいから売った方がいい」という場合があります。
それは、「売っても売らなくてもコストが同じ」場合です。
相場が落ちるとか、戦略的な価格付けは置いておいて、コンサルタントのような人の時間を売る商売は、基本的に売っても売らなくてもコスト(給料)は同じです。
すると、安くてもどこかで仕事をさせていたほうが会社としては得ということになります。
商品単体の収益だけを考える場合、ポイントは、
- 安くても売った方が収益が上がる商品なのかどうかを見極めること
- 価格を動かして(キャンペーンとか何とか言って)適正価格を探ること
です。
極端に単純化すると、理論的には、こういうことになります。
しかし、実際に価格を決める際には、上記のポイントだけでなく、「売り方」が重要な要素になってきます。