株式会社 風

顧客が持つ情報量が圧倒的に多くなっている。

ちょっと知りたいことがあって、郵便局に行った時のこと。
事前にインターネットで調べてから、郵便事業会社の窓口で問い合わせたら、
(すでに私が知っている)郵便局のWebサイト上の情報が出てくるまでに20分ぐらいかかった。

一番の収穫は、郵便事業会社の窓口で働いている人の人柄が分かったこと。
物を送るには、実際に窓口に荷物を持って行かなければならないので、
「窓口の人は、一生懸命顧客の問い合わせに対応しようとしてくれる」
と言うのは、重要な情報だ。

しかし、既に知っている情報が出てくるまでに20分待たされるのは、
さすがに気分のいいものではない。

昔、営業マンの方が圧倒的に情報を多く持っていた時代には、
商品を売るために良いことだけをお客さんに伝えていれば良かったのだけれど、
今では、良いことどころか悪いところまでお客さんは知っていたりする。

営業マンが、逆に足元を見られてしまう。

そうならないように、営業マンが勉強しなければいけないのは確かだけれど、
人依存から抜け出すのが一番だと思う。

とはいえ、どんなに多く情報を持っていても、お客さんは「もっと知りたい」と思うものなので、
「あなたは全て知っています」
と言ってくれる営業マンは必要になるだろう。

つまり、情報提供ではなく、安心を与えるのが営業マンの仕事になっていくのではないだろうか?

人に聞いた話だけれど、帯広市のある大手家電量販店では、商品について質問すると、
「あっちのお店で聞いてきてください。良く知っているので。でもこっちの方が安いのでこっちで買ってください。」
なんてことを言うらしい(本当かな?)。

それって同じことを自分もやられてるんだよね。
お店で触って、(安い)ネットで買うなんて言うのは、今時常識になっているし。

営業マンが売るのは商品ではなく、安心だ。
とすると、マーケティングの役割は、営業マンが伝えなくてもいいように、
「良いことも悪いことも包み隠さず、正しい情報を顧客に伝えること」
そして、安心するために
「営業マンの前まで来てもらうこと」
だろう。

家電量販店の営業の人!安心売ってますか?