「顧客を営業マンの前まで連れてくる」ためのあらゆる活動をマーケティングと呼びます。
営業とマーケティングとの違いはと言うと、営業は「顧客対営業マン」によるコミュニケーションであり、マーケティングは「様々なマーケティングツール対顧客」によるコミュニケーションである、ということが言えます。
フロントエンドがマーケティング、バックエンドが営業で、どこからどこまでを営業マンが受け持ち、どこからどこまでをマーケティングツールが受け持つのかは、売る物や顧客によってそれぞれに最適な役割分担の仕方は異なります。
したがって、役割として「絶対にこれでなければいけない」という分け方はありません。
しかしながら、一般的には、
- 「営業マンは固定費になるがマーケティングは変動費にできる」(営業マンを成果報酬にすれば変動費化できます)
- 「優秀な営業マンはコピーできないが、優秀なマーケティングツールはコピーできる」
- 「営業マンを増やすには最低でも年間数百万円かかるが、マーケティングツールは数万円で済む」(モノによりますが)
などなど、可能な限りマーケティングにたくさんの役割を担わせた方がリスクも少なく利益も大きくなります。
「営業をなくすのがマーケティングの目的である」と言っているマーケティングの大家もいらっしゃるぐらいです。
ただし、マーケティングの方が効率が良いというのは、マーケティングの効果が測定可能な場合に限ります。
目的が販売ではないイメージ広告や、販売目的でも売上との関係が分からないマーケティングツールに関しては、効率が良いどころか効率すら分かりませんし、改善もできません。
このようなマーケティングは、予算によほど余裕のある大企業か、お金を使うことに意義があると考えているような団体でなければ手を出すべきではないでしょう。
以前は、マーケティングというと広告・宣伝などの集客活動のみをイメージされる方が多かったのではないかと思いますが、最近では、広告・宣伝などにより「どんなメッセージを顧客に届ければよいのか」だけでなく、
「どんな商品を開発すべきか」
「その商品の隣には何が売られているのか」
「どんな人を顧客とすれば良いのか」
「マーケティング活動がどのぐらい利益を生んでいるのか」
「いくらで売れば、最も利益が高まるのか」
「自分の武器(資産とそれに基づいた強み)をどう活かすのか」
「顧客へのメッセージはいつ届ければよいのか」
と言うような課題をすべてマーケティング上の課題と捉えている方の方が主流でしょう。