株式会社 風

マーケティングをやったらアポが取れます。
それが目的なので、当たり前と言えば当たり前ですが、営業経験がなかった頃の私には、またしても新たなチャレンジ。

アポ先に着いても何をしたらよいか分からなかったので、とりあえず会社案内とサービス説明を広げて、
「会社案内させてください!」
「サービス説明させてください!」

と気合十分でしゃべり始めました。

そして、私の話が終わると、きまって、
「うちには必要ないね」

売る気満々だった私は、いつもこの言葉に打ちひしがれました。
「この一言を聞くために、遠くからわざわざ電車に乗ってやってきて一生懸命しゃべってた俺って、いったい?」

売れなかった時のダメージの大きさと言ったら、経験者は分かると思いますが、売る気があればある程ダメージも大きく、がっくりと膝をつきたくなるのを必死でこらえながら家路についたものです。運悪く時間が早いと、オフィスに戻らなければならないので、オフィスに社長がいれば、トドメの一撃です。しばらくは立ち直れません。

営業開始から2カ月弱ぐらいは、だいたいこんなもんでした。
「売り込まれたくない客」 対 「売り込みたい営業マン」
ネットを挟んで睨み合っている構図です。これじゃ売れません。

そんな私の営業スタイルを瞬時に変えたのが「売り込まなくても売れる!説得いらずの高確率営業」(神田昌典著)でした。

5年も前の話なので細かいことは覚えていませんが、この本を読んだ後、一番の変化は、
「会社案内させてください!」
「サービス説明させてください!」

が、
「何でうちの会社を知ってるんですか?」
「何で私を呼んだんですか?」

に変わったところ。

するとどうでしょう。お客さんは、
「いやぁ、***で困っていたところに、ちょうどダイレクトメールが届いて、一度話を聞いてみようと思って電話したんです。」

どうでしょう?ぜんぜん違いますね。

さらに私が
「へぇ、***でお困りなんですか、具体的に聞かせてもらえますか?」
と言うと、話すわ話すわ、お客さんがひたすら困りごと、つまり、私を呼んだ理由についてしゃべり始めるのです。しまいには愚痴大会の様相に。
ここまで来たら、もう二人の間のネットは完全に取り払われています。

が、それでも、
「うん、うん、そうなんですよねぇ、分かります。どこの会社も似たようなもんです。」
なんて言って聞いていると、
なんとお客さんの方から、
「あのぉ、サービスの説明してもらってもいいですか?」
なんて切り出してきます。

そしてなんと、スタイルを変えて最初の営業で初めての顧客をゲット!
(これは私の実体験です。)
今から思えば、このときお客さんは一生懸命しゃべることで私に仕事を頼むことを自分自身に対して正当化してしまっていたのではないかと思います。

中小企業にお勤めの営業マンのかたは、
ぜひ試してみてください!
「何でうちの会社を知ってるんですか?」
「何で私を呼んだんですか?」
です。

大企業にお勤めの方がそのまま使うと、顧客が「馬鹿にされている?」と思ってしまう可能性があるので、そうならないように工夫してください。