帯広市豊西町で肉牛牧場を営む小倉さんは、有限会社トヨニシファームの2代目。
トヨニシファームで飼っている牛の数は、なんと3700頭(ホルスタイン3500頭、黒毛和牛200頭)。
10名のスタッフで、単純に割っても一人あたり400頭弱とすごい数ですが、
「和牛は手作業ですが、ホルスタインは機械化されています。」
なのだそうです。
機械化されたホルスタイン。
ミルクを飲む子牛は、IC首輪で管理されています。
小倉さんは、実家の牧場に来る前は、関西でスーパーの裏方さんとして肉を切る仕事をしていました。
「学生のころは、全然農業に興味がなかったんです。」
という小倉さんが、実家の牧場に戻ろうと思った理由は、
「実家の牧場の成長を見て、可能性が無限にあると感じたこと。」
「それに、サラリーマンとして、雇われの身の限界を感じたことですね。」
とのこと。
小倉さんへのおもな質問は、
- 農業の面白いところは?
- 農業のつらいところは?
- 新規に農業を始める人に肉牛牧場はお薦めですか?
- 農業を上手にやるためのコツはありますか?
- 大きな声では言えない農業の旨みはありますか?
- 大きな声では言えない農業の辛いところはありますか?
- 「新規に就農するならこれだけはやっておけ」ということはありますか?
です。
農業の面白いところは?
自分で何でも意思決定できるところと、仕事の成果が分かりやすいことですね。
それと、生き物相手なので思うように行かないところ、1+1が2でないところが面白いです。
予想もしない出来事を楽しんでいます。
農業の辛いところは?
ないですね。
牧場の場合、休みがないところもあるので、サラリーマンのONとOFFのある生活を知っている人には辛いかもしれませんね。
うちの場合は、交代制で休みをとれているので恵まれていると思います。
新規に農業を始める人に肉牛牧場はお薦めですか?
お薦めします。面白いです。
やりたい人がいれば、技術的には指導できますよ。
ただ、新規に農場を起こすことは難しいです。
お金がかかるので。
農業を上手にやるためのコツはありますか?
牛の立場に立って環境を整える、と言うことと、経済動物なので採算が合うようにしなければいけません。
最近は、穀物価格の高騰もあって、収益を上げるのが難しくなっていますね。
それと、地域との連携は必須です。
牛は堆肥が出るので、地域の農家さんとの付き合いがなければ、堆肥の処理に困ってしまいます。
これは稲藁。消化しにくいものを食べさせないと牛は反芻しなくなって、体調を崩すそうです。
大きな声では言えない農業の旨みはありますか?
所得がある程度保証されていることですね。
精神面にやさしいです。
農地には相続税がかからない、という旨みもあります。
旨みと言っても、農地を買った時の借金は何世代も重ねて返していくものなので、相続税を取られたらやっていけないでしょうけど。
大きな声では言えない農業の辛いところはありますか?
動物は死ぬことがあるので、それは辛いです。
かなりへこみます。
「新規に就農するならこれだけはやっておけ」ということはありますか?
農業以外の仕事を経験してから農業をやって欲しいですね。
たとえば、毎日1時間かけてオフィスビルに通勤するとか・・・。
そう言うことをすると、太陽と共に仕事をするということの良さが良く分かると思います。
風より:和牛のハラミの肉(3kgぐらい?)をいただきました。ありがとうございました。大量ですが、頑張って食べさせていただきます。