ポジショニングとは、商品を投入する市場の領域を設定することです。
たとえば、カップヌードルがアメリカで成功したのは、「『ヌードル』ではなく『ヌードル入りスープ』として売り出したから」とか、「『写るんです』はインスタントカメラではなく、『カメラ付きフィルム』として売り出したから」成功したとか、結構有名なポジショニングの話です。
ポジショニングによって何が変わるかと言うと、「商品が置かれる場所」が変わります。文字通りの「場所」も変わりますが、どちらかと言うと、お客様の心の中での位置づけが変わります。
分かりやすく言うと、「商品を見に来る客」と「隣の商品(競合)」が変わります。
ポジショニングの流れは、
- あなたはその商品を誰に売りたいですか?
- その人はどこにいますか?
- 「じゃあ、その市場で売りましょう。」
- そこで売ると、その商品の隣には何がありますか?
- 隣の商品にあなたの商品は勝てますか?
となり、ポジションが決まります。
勝てるのであれば、ポジショニングはOKです。
「十勝平野に観光客を呼ぼう」となったら?
十勝平野は「畑作地帯」であり、食料自給率1000%とも言われています。
ありがちなのが、「畑を耕せます」とか、「とれたて野菜あります」なんて言うポジション。
お客さんは、畑やとれたての野菜を普段目にしていない「都市に住む人」になるでしょう。
すると、競合は全国の農業地域になります。日本一の都市である東京から観光客を呼ぼうと思っても、関東にも畑(隣の商品)はたくさんあります。
それでは、わざわざ北海道まで来る理由が見当たりません。
では、十勝らしい景色を見渡せる「十勝十景」なんてのを作って景観を売り物にするというのはどうでしょう?
すると、競合は「日本中の自然豊かな観光名所」ということになり、これも勝つのは難しそう。日本はなんだかんだ言って自然は多いですからね。
私だったら・・・。
まず、どんな人に十勝に遊びに来てもらいたいかと言うと、「将来十勝に移り住んで仕事をしてくれる人」です。
具体的には、「自然が好き」「仕事ができる」「チャレンジ精神旺盛」「年齢は35歳以下」です。たとえば、そんな人が楽しめそうな十勝の観光はというと、
- 湖でカヌーやカヤック
- ラフティング
- セスナ機で十勝平野を眺めたりスカイダイビング(出来るかどうかは不明)
- 山の中で遭難訓練(ヒグマがいるのでスリル満点?)
- 車で沢登り
- 陸別サーキットでラリーに挑戦
などなど。たくさんあります。
「大自然があなたの野生を呼び起こす!ネイチャースポーツ・パラダイス」なんていうポジションはどうでしょう。
こんなことが一遍にできる場所は日本にはないんじゃないかな。
秘訣
- 誰に売りたいのかをはっきりさせる
- 勝てるポジションを選ぶ
商品の特徴でマトリクスを作って、競合がいない市場セグメントを選ぶ、というやり方もあります。コンサルタント的で楽しい感じがしないので、個人的にはあまり好きじゃありませんが。