株式会社 風

「うちの商品は他の店のモノより絶対いい!売れないわけがない」
最初はだれもがそう思います。

それが、しばらく経つと、
「何で売れないんだ!何でこの良さが分からないんだ!」
に変わります。

「モノが良ければ売れる」なんて言うのは、幻想なのでしょうか?
幻想?

高度経済成長期で、「作れば売れる」という時代は確かにあったようです。
その時は、「モノが良ければ売れる」というよりは、「何でも売れる」時代でしょう。

しかし、今は違います。

最近はどうなっているかと言うと?

「モノが良い」と「売れるモノ」は無関係。
じゃあ、どうすれば売れるかと言うと、「売り方が上手な人」にかかると売れます。

お客さんは、買う前には商品が良いかどうかは分からないので、「その商品に関する情報」で買うかどうかを判断します。
その情報を伝えるのが上手だと売れるし、それが下手なら売れません。

商品自体の良し悪しにはどんな意味があるかと言うと、

  • 商品が良ければ、再購入率が高いので、マーケティング費用は少なくて済む
  • 商品が悪いと再購入率が低いので、一生懸命マーケティングして常に新規顧客を開拓しなければ儲からない

だけの話です。

もし、

  • 悪い商品は開発や製造にかかる費用が少なくて済む
  • マーケティングの効率は費用に比例する

と言えるのであれば、結局、儲かるかどうかは、どちらも大差ないと言うことになります。
「マーケティングの効率は費用とは無関係」と私は思っていますが)
お金

しかし、これは、インターネットが普及する前までのこと!

これからはこうなる!

消費者間での情報共有が進み、悪い商品を買った人は「これは買うな!」とインターネット上で叫びます。

一昔前は、お客さんが入手する情報の大部分は、「売る人からのメッセージ」だったのですが、今は「購入者のレビュー」が大きな力を持っています。

もちろん、「サクラ」を使ってレビューを作ることはできますが、商品の情報は「売り場」だけで共有されているわけではないので役には立たないでしょう。

ネットワーク
インターネットによって、「商品の良さ/悪さ」が圧倒的に伝播し易くなります。
商品が悪くてもマーケティングを頑張れば売れる、という時代も終焉は近いのかもしれません。

と、同時に「良いモノが売れる時代」は、目の前に迫っているのかもしれない。
特にインターネット網が発達している都市部では、すでにそういう状態のところもあると思います。

しかし、例えば私が住んでいる十勝におけるインターネットの広がり方などを見る限りでは、もうしばらく待たなければならなそうです。

地域差はあれども、確実に「商品やサービスが良ければ売れる」時代は近づいている!

今こそ、

「良い商品/サービスとは何なのか?」
を脳みそに汗して考えるときです!

皆さん、売りたい商品もってますか?
では、売れる商品はもっていますか?
最後に、あげる商品はいかがですか?

私が子供の頃、アパートのベランダにくるスズメを捕獲したことがあります(すぐに逃がしましたが、そのあとしばらく、うちのベランダにスズメは近寄らなくなりました)。ザルを割りばしでつっかえ棒をして立てて、ザルの下に小鳥のえさを置いておき、スズメがそのえさに引かれてザルの下に入ったら割りばしに結わえつけられている紐を引っ張る、というやつです。

スズメを捕獲するための罠(とっても低コスト)

紐を引っ張るタイミングが意外と難しい…

そのとき、ザルの下だけにエサを置いておくと、スズメは警戒してエサを啄みません。なので、ちょっと離れたところから、ザルの下に誘導するようにエサを仕掛けます。すると、エサを啄んでいるうちにだんだんとザルへの警戒心が融けてきて、最後にはザルの下のエサも食べてしまいます。
と、言うようにしてスズメを捕獲した、と言うお話です。

賢明な読者の方は、既に私が何を言おうとしているのか分かりますね?

あげる商品で見込み客を増やし、売れる商品で信頼関係を築く、そしてファンになってくれた顧客に売りたい商品を売る。という商品構成にしておくと、顧客から見た購入への障壁が段階的に上がるので、行動を起こしやすくなります。
(実際の顧客が先ほどのスズメのように「しばらくは近寄らない」ようになっては失敗です。)

特に、売りたい商品と方向性があった「あげる商品」をプレゼントするのは効果的です。プレゼントをもらった人は、貰ってしまった後ろめたさ(?)があるせいか、BtoBであればかなりの高確率でアポが取れます。

私が以前、プレゼント(あげる商品)を利用してBtoBのマーケティングをやったとき、商品とプレゼントにちょっとしたズレがあったために、アポはたくさんとれるのに全然顧客を獲得できない、という高コスト&獲得顧客ゼロという最悪の事態に陥ったことがあります(高コストは、プレゼント代ではなく、顧客に会いに行く営業マンのコストです)。ので、「あげる商品を欲しがる人」と「売りたい商品や売れる商品を欲しがる人」がズレることがないように注意が必要です。