昨今の就職活動は、タイミングが早い。もう、3年生の時から動いている。
3年生なんて、研究室も決まっていないだろうに。(最近は違うのかな?)
研究という売り物が無いので、できることと言えば、
「履歴書を充実させる」
「面接で聞かれそうな質問の答えを作って暗記する」
ぐらい。
そのせいかどうかは分からないが、最近の学生の履歴書は私が就職したころ(十数年前。就職氷河期と言われていた)に比べて、非常に内容が濃いというか、たくさん書いている。
そして、面接では、見事な「セリフ」。
でも、そこから読み取れるのは、「私は御社の役に立ちます」ではなくて、「一生懸命準備しました」と言うメッセージなんだよね。
こんな「周到な準備」により、履歴書や「良くある質問」に対する回答がハイレベル(?)&均質化する一方で、実はコミュニケーションや考える力はピンキリ。
意表を突いた質問やその場で考えてもらったりすると見えてくるんだけど、「なぜこんなに差がつくの?」と驚くほどに個々の力の差は大きい。
そんな就職活動だけれども、これも一種のマーケティングとして考えてみた。
これから就職活動をする普通の学生が「こういうことを考えればいいのか!」というヒントを得てくれればと思う。
普通の学生が商品を投入(応募)すべきマーケット(企業)は?
まず、どんな企業に応募するか、と言う話ですが、従業員が会社から得るモノは、基本的には「給料」と「仕事の経験(キャリア)」。
特に、学生にとってはそれ以外は入社してみないと全く分からない。
職場に恵まれれば、社内での良い人間関係やお客さんも得ることができるし、経験を積んで責任が大きい仕事を任されるようになると、「やりがい」を感じるようになるけれども、入社前には全くの未知数であることが普通。
なので、どれだけの給料をもらって、どんなキャリアを形成していきたいのか、と言うのがマーケット(応募する会社)選びでは大切になる。
新卒を採用しようとしている会社は、「先輩の声」などによって、職場の雰囲気を学生に伝えようとはしているが、それも結局は作られたものなので、入社してみないと分からない。冷たいようだけれども、それが現実。
つまり、
・給料:いくらか?
・キャリア:どんな仕事をするのか?(募集要項を見ても分からなかったら、会社に電話かメールして聞きましょう)
が自分の希望とマッチする会社を探せばよい。
「仕事をしたこともないのに『やりたい仕事』なんて分からない」と言う人は、将来の自分の姿を思い描いて、「こんな仕事をしていたらかっこいいなぁ」と思える仕事を適当に選ぼう。
勤務地や休日も人によっては重要になるので、要チェック。
それともう一つ、
直感的に「その会社で自分が働きたいと思えるかどうか」も意外と重要。
元々印象が悪かった会社に入社すると、その偏見のせいで「やる気が出ない」と言うことになる可能性もある。
ちなみに、私は会社の「業種」と「業績」を見てファナックを選んだ。
正直、自分のキャリア形成なんてことは頭になかった。辞めることになったのはそのせいかもしれない。
給料はとても良かったし、職場の仲間もいい人たちばかりだったのだけれど。