株式会社 風

今回は、商品(あなたです)の話。
自分を商品に見立てて、ニーズ、ウォンツを考えてみよう。

企業はあなたを採用する必要性はあるだろうか?
企業はあなたを採用したいと思うだろうか?

両方ともYesの人は、もう、面接に行ってください。

さて、「ニーズ・ウォンツ」に自信がないと思った人は、どうすればいいだろう?

『あなたを採用する必要(ニーズ)がある』と思ってもらうにはどうすればいいか?

まず、「企業がどんな人材を必要としているのか?」を知らなければならない。
募集要項にも書いてあるかもしれないけれど、勇気を出して直接聞いてみよう。

採用担当に電話して、一通りの挨拶をした後、「御社の新卒採用への応募を検討しているのですが、どのような人材を必要とされているか教えていただけますでしょうか。」と言うだけ。

募集要項に書いてあるようなことを答えるか、「不公平になる」とか何とか言って教えてくれない可能性もありますが、もし教えてくれたらちゃんとメモして面接で使いましょう。
商品(あなた)を魅力的に見せる武器にもなります。

「ニーズ」を聞けなかったとしても大丈夫。
大概は、こんなもんです。

性格面で、

  • 向上心がある人
  • リーダーシップがある人
  • 行動力がある人
  • 協調性がある人
  • 真面目で誠実な人

能力面で、

  • コミュニケーション能力が高い人
  • 物事を論理的に考えられる人

で、これらを判断する材料になるのが、まずは経歴。

ボランティア活動の経験がある人は、行動力・協調性のポイントアップ。
インターンは行動力のポイントアップ。
サークルや部活などの代表をやっていれば、リーダーシップのポイントがアップ。
留学やセミナーは、向上心のポイントがアップ。

色々参加すれば、ポイントをアップできます。

そして、「なぜそんな活動をしたのか(動機)」、「どのような活動だったのか」、「その活動から何を学んだのか」、「その活動は、自分の将来にどんな役に立ちそうか」ぐらいは自分の言葉でしゃべるようになっておきましょう。

能力的なポイントや「まじめで誠実」のポイントは面接で判断されるけれども、これらは急には作ることができません。
日頃から意識する他ないです。

『あなたを採用したい(ウォンツ)』と思ってもらうにはどうすればいいか?

採用担当者が「採用したい」と思うのは、面接の時。
そして、その要素はズバリ「雰囲気(見た目や人柄)」。

もう、こればっかりは面接者の好みなのでどうしようもない、と思うかもしれないけれども、一つだけポイントアップの手があるんです。
それは、相手を気持ちよくさせちゃうこと。

どうすれば面接官が気持ち良くなるかと言うと、面接官でなくてもだれでも同じなんだけど、「たくさんしゃべらせること」。
人は「聞くより話す方が気持ちいい」基本的にはみんな同じ。

いろいろ質問して、たくさんしゃべらせちゃおう。
自分のことは全然アピールしなくても、相手がしゃべって気持ち良くなっちゃえば、あなたの「ウォンツ」ポイントはアップ間違い無し。(ホントに全然アピールしなかったら、採用されないと思うけど)

まとめ

まとめると、

  • 応募する前に調査をすること
  • いろんな活動に参加すること
  • 面接では一生懸命質問すること


ということです。

に、加えて、自分のウィークポイントを知ることも実はかなり大切なことなので、もし、不採用になった時には、ちゃんと理由を聞いてください。
「どうせ、採用されないんだから」と開き直って、とことん突っ込んで聞いてみよう。

そして、不足していたポイントを補うための活動をしてくださいね。

「就職活動ってマーケティングだよね」の続き。

購買(採用)行動は?

ところで、企業側の採用活動をいわゆる「購買行動」に照らし合わせると、大まかには以下の流れになっていると思われる。

  1. (応募で)認知する
  2. 興味を持つ
  3. (書類で)評価・比較する
  4. 会ってみたいと思う
  5. (面接で)評価・比較する
  6. 採用したいと思う
  7. 調整する(部門とか)
  8. 内定を出す

1~4が書類選考、5以降が面接、と言うことになるのかな。
面接の回数は会社によって違うけれども、1回だけと言う会社は聞いたことがないので、5と6は複数の人によって何回か行われる。

それぞれのステップで、先に進むための戦略が必要だ。

新入社員女

まず、書類。
前にも書いたけど、最近の学生は書類をしっかり書く人が多いし、内容に関しては別に言うことはない。

が、書類選考は、「書類を書いて送れば終わり」ではない、と私は思う。
最近は、就活を支援する会社のWebサイトからエントリーする人が多いのかもしれないが、
敢えて「電話して応募書類を送らせてください、とお願いしてから直接応募してみる」
とか、
「書類を送付(エントリー)したら、確認の電話をしてみる」
ことによって、「他の学生とは少し違うかも」と思ってもらうことができるんじゃないかな。

特に、電話をすると直接のコミュニケーションが発生するので、
相手は「いい感じだった」または「全然だめだった」のような感想を持ってしまう。
うまくいけば、その時点で他の学生を一歩リードできる。

それに、「確認の電話をする」は、仕事をする上でとても重要だったりするので、電話をするだけで好印象を与えることはほぼ間違いない。
旨く電話できれば、きっと、相手は「会ってみたい」と思うはず。

(面接の前に適性検査があったりする場合もあるけど、それは何とかクリアしてください)

面接に進んだら、いろんな角度から観察されるけど、「対等な立場なんだ」ということを忘れてはいけない。
「こっちだって会社選びの最中だぜ」
と言う態度で臨もう。

「職場の雰囲気はどうか」
「入社したらどんな部門でどんな仕事をするのか」
「福利厚生や給料や勤務時間(残業)などの条件はどうなっているのか」
「どんなスキルが身に付くのか」
「どんなステップアップのチャンスがあるのか」
などなど、会社を比較しようと思ったらいろんなことを聞かなければいけないよね。

それがそのまま相手には「この人は真剣に我が社に興味を持っている」というメッセージになるし、本気で興味を持って聞いていれば良い質問もできる。
そうすれば、面接官も「採用したい」と思ってくれるはずだ。

最近は景気が悪くて、「会社を選べるような時代じゃない」なんて弱気になっている学生もいるかもしれないけど、全くそんなことはないと思いますよ。
会社だって、学生に選ばれようと必死ですから。

昨今の就職活動は、タイミングが早い。もう、3年生の時から動いている。
3年生なんて、研究室も決まっていないだろうに。(最近は違うのかな?)

研究という売り物が無いので、できることと言えば、
「履歴書を充実させる」
「面接で聞かれそうな質問の答えを作って暗記する」
ぐらい。

そのせいかどうかは分からないが、最近の学生の履歴書は私が就職したころ(十数年前。就職氷河期と言われていた)に比べて、非常に内容が濃いというか、たくさん書いている。

そして、面接では、見事な「セリフ」。

でも、そこから読み取れるのは、「私は御社の役に立ちます」ではなくて、「一生懸命準備しました」と言うメッセージなんだよね。

こんな「周到な準備」により、履歴書や「良くある質問」に対する回答がハイレベル(?)&均質化する一方で、実はコミュニケーションや考える力はピンキリ。

意表を突いた質問やその場で考えてもらったりすると見えてくるんだけど、「なぜこんなに差がつくの?」と驚くほどに個々の力の差は大きい。

そんな就職活動だけれども、これも一種のマーケティングとして考えてみた。
これから就職活動をする普通の学生が「こういうことを考えればいいのか!」というヒントを得てくれればと思う。

新入社員男

普通の学生が商品を投入(応募)すべきマーケット(企業)は?

まず、どんな企業に応募するか、と言う話ですが、従業員が会社から得るモノは、基本的には「給料」と「仕事の経験(キャリア)」。

特に、学生にとってはそれ以外は入社してみないと全く分からない。

職場に恵まれれば、社内での良い人間関係やお客さんも得ることができるし、経験を積んで責任が大きい仕事を任されるようになると、「やりがい」を感じるようになるけれども、入社前には全くの未知数であることが普通。

なので、どれだけの給料をもらって、どんなキャリアを形成していきたいのか、と言うのがマーケット(応募する会社)選びでは大切になる。

新卒を採用しようとしている会社は、「先輩の声」などによって、職場の雰囲気を学生に伝えようとはしているが、それも結局は作られたものなので、入社してみないと分からない。冷たいようだけれども、それが現実。

つまり、
・給料:いくらか?
・キャリア:どんな仕事をするのか?(募集要項を見ても分からなかったら、会社に電話かメールして聞きましょう)
が自分の希望とマッチする会社を探せばよい。

「仕事をしたこともないのに『やりたい仕事』なんて分からない」と言う人は、将来の自分の姿を思い描いて、「こんな仕事をしていたらかっこいいなぁ」と思える仕事を適当に選ぼう。

勤務地や休日も人によっては重要になるので、要チェック。

それともう一つ、
直感的に「その会社で自分が働きたいと思えるかどうか」も意外と重要。
元々印象が悪かった会社に入社すると、その偏見のせいで「やる気が出ない」と言うことになる可能性もある。

ちなみに、私は会社の「業種」と「業績」を見てファナックを選んだ。
正直、自分のキャリア形成なんてことは頭になかった。辞めることになったのはそのせいかもしれない。
給料はとても良かったし、職場の仲間もいい人たちばかりだったのだけれど。