株式会社 風

DMの一生

DMとはダイレクトメールのこと。

  1. 宛名の住所に届けられる
  2. 秘書にスクリーニングされる
  3. ターゲットにリーチ
  4. 開封される
  5. 見られる(興味を引く)
  6. 読まれる(つい引き込まれる)
  7. さらに読まれる(共感する)
  8. 納得される
  9. (熟成される)
  10. 担当者に回される
  11. (熟成される)
  12. 問い合わせに使われる

が、DMの一生です。

会社の門番をすり抜けろ!

BtoBのダイレクトメールというのは、
「宛名が書いてあれば必ずその人に届くと思ったら大間違い」
です。

そして、それを阻んでいる唯一最強の難関は、「秘書」。
「会社の門番である『秘書』をどうすり抜けるか」

が最重要課題です。

秘書は、社長宛のダイレクトメールはスクリーニングして営業臭いものはゴミ箱に放り込む、という習性をもっています。
そこで、社長様にDMを届け、開封していただくには、

  1. 一目で営業とわからない⇒秘書の方:大切なお手紙かと思いました~。
  2. 社長が中身を読む理由を作る⇒秘書の方:私では判断いたしかねますので、内容のご確認をお願いいたします~。
  3. ゴミ箱に放り込むには惜しい⇒秘書の方:む、使えそうなものが入っている予感が!社長をまきこんで開けてみよう!
  4. そのままではゴミ箱に入れられない⇒秘書の方:分別が必要だわ。せっかく開けたし中身は社長に渡しとこう。

などの工夫が必要です。

私は、上の1の目的で「親展」ハンコを使ったことがあります。が、効果は不明。だいたい、個人向けDMでも「親展」はよく見かけるし、たぶん効果はなかったのではないかと思われます。

私が活用して「使える」と思ったのは、上の2が目的の「封筒にメッセージを書く」です。
元々の封筒には会社名しか書いていなかったので、そのままだと、

秘書:「***という会社から、何やら封筒が届いてますが、この会社知ってます?」
社長:「知らない、捨てていいよ。」

となるのが落ちです。

初めは「***でお困りの方は、是非お読みください」的なメッセージを入れました。効果はあったのかもしれません。が、これでは効果の程がわかりませんでした。

試行錯誤の末、最終的に落ち着いたのが
「資源の無駄を減らすため、今後こういった資料が不要な方は同梱のFAX用紙にチェックを入れて返信ください。」
と、いうようなメッセージでした。

もちろんFAX用紙には、問い合わせ機能やアンケートも付いていて、「送らないでください」と言う人が「なぜ送らないでほしいのか」がわかるようになっていました。

すると、10人に一人は「資料はもう送らないでください」のFAXをくれました。
理由はすべて「サービスとは関係のない会社/部署なので」でした。

ちなみに、打ち合わせを依頼してきた人は1%でしたが、FAXを使った人は一人もいませんでした。すべて電話かメールです。

このことから、サービスを必要とする/必要としない、に関わらず、「行動する(FAXまたは問い合わせ)人」と「行動しない人」の割合が同じだとすると、顧客リストの中には、およそ9割の「見込のない顧客」が混ざっていることになります。FAXの結果

したがって、この後の展開としては、メッセージの修正によって「行動する人」の率を上げることと、「見込のない顧客」を(私が作った)高機能顧客DBから排除していくことが考えられます。
そうすれば、次回以降の無駄なDMが減り、さらに、反応率が上がることで効率アップを期待できます。

さて、ここで、
「メッセージを封筒に書くぐらいなら、外から中身が見えるようにすればいいじゃないか!」
と思われた方もいらっしゃるでしょう。
まさに、その通り。私も試しました。
(ジャジャーン)「透明封筒!」
しかしながら、これが大失敗。

「中身が見えたほうがゴミになりにくいだろう」と考えて使ったのですが、反応ゼロ。内容が「資料請求の申し込み」で、2ステップ (( 購入までに2回のアクションが必要なマーケティング )) だったのも原因の一つだと思いますが。

中身が見えると、秘書が社長に内容を簡単に説明できるので、
秘書:「営業のDMみたいなんですけど、***の資料、必要ですか?」
社長:「え、よくわからないけど、いらないでしょ。忙しいし。」

てなことになったのではないかと思われます。

BtoCならまた違うと思いますが、透明封筒はちょっと「軽い感じ」なりますので、その辺りにも注意が必要だと思います。

「開封していただくための工夫」の3および4の手法としては、「大きい」、「重たい」、「分厚い」DMにする、というやり方があります。
私は、A4の紙がそのまま入る封筒に、20ページぐらいの資料をクリアファイルとともに入れていました。
それで、とりあえず、そのままでは捨てにくくなるようです。
(他にも、なにかゴツゴツしたものを入れるなどのやり方もあります。)

もちろん、すべての資料を社長が読んでくれるわけはないので、社長向けのメッセージを一枚、入れていました。私のDMでは、この「社長向けの一枚」がミソだったことは言うまでもありません。

この一枚は「DMを開封してもらう」ために入れているものではないので、中身については追って解説していこうと思います。