DMの一生
DMとはダイレクトメールのこと。
- 宛名の住所に届けられる
- 秘書にスクリーニングされる
- ターゲットにリーチ
- 開封される
- 見られる(興味を引く)
- 読まれる(つい引き込まれる)
- さらに読まれる(共感する)
- 納得される
- (熟成される)
- 担当者に回される
- (熟成される)
- 問い合わせに使われる
が、DMの一生です。
会社の門番をすり抜けろ!
BtoBのダイレクトメールというのは、
「宛名が書いてあれば必ずその人に届くと思ったら大間違い」
です。
そして、それを阻んでいる唯一最強の難関は、「秘書」。
「会社の門番である『秘書』をどうすり抜けるか」
が最重要課題です。
秘書は、社長宛のダイレクトメールはスクリーニングして営業臭いものはゴミ箱に放り込む、という習性をもっています。
そこで、社長様にDMを届け、開封していただくには、
- 一目で営業とわからない⇒秘書の方:大切なお手紙かと思いました~。
- 社長が中身を読む理由を作る⇒秘書の方:私では判断いたしかねますので、内容のご確認をお願いいたします~。
- ゴミ箱に放り込むには惜しい⇒秘書の方:む、使えそうなものが入っている予感が!社長をまきこんで開けてみよう!
- そのままではゴミ箱に入れられない⇒秘書の方:分別が必要だわ。せっかく開けたし中身は社長に渡しとこう。
などの工夫が必要です。
私は、上の1の目的で「親展」ハンコを使ったことがあります。が、効果は不明。だいたい、個人向けDMでも「親展」はよく見かけるし、たぶん効果はなかったのではないかと思われます。
私が活用して「使える」と思ったのは、上の2が目的の「封筒にメッセージを書く」です。
元々の封筒には会社名しか書いていなかったので、そのままだと、
秘書:「***という会社から、何やら封筒が届いてますが、この会社知ってます?」
社長:「知らない、捨てていいよ。」
となるのが落ちです。
初めは「***でお困りの方は、是非お読みください」的なメッセージを入れました。効果はあったのかもしれません。が、これでは効果の程がわかりませんでした。
試行錯誤の末、最終的に落ち着いたのが
「資源の無駄を減らすため、今後こういった資料が不要な方は同梱のFAX用紙にチェックを入れて返信ください。」
と、いうようなメッセージでした。
もちろんFAX用紙には、問い合わせ機能やアンケートも付いていて、「送らないでください」と言う人が「なぜ送らないでほしいのか」がわかるようになっていました。
すると、10人に一人は「資料はもう送らないでください」のFAXをくれました。
理由はすべて「サービスとは関係のない会社/部署なので」でした。
ちなみに、打ち合わせを依頼してきた人は1%でしたが、FAXを使った人は一人もいませんでした。すべて電話かメールです。
このことから、サービスを必要とする/必要としない、に関わらず、「行動する(FAXまたは問い合わせ)人」と「行動しない人」の割合が同じだとすると、顧客リストの中には、およそ9割の「見込のない顧客」が混ざっていることになります。
したがって、この後の展開としては、メッセージの修正によって「行動する人」の率を上げることと、「見込のない顧客」を(私が作った)高機能顧客DBから排除していくことが考えられます。
そうすれば、次回以降の無駄なDMが減り、さらに、反応率が上がることで効率アップを期待できます。
さて、ここで、
「メッセージを封筒に書くぐらいなら、外から中身が見えるようにすればいいじゃないか!」
と思われた方もいらっしゃるでしょう。
まさに、その通り。私も試しました。
(ジャジャーン)「透明封筒!」
しかしながら、これが大失敗。
「中身が見えたほうがゴミになりにくいだろう」と考えて使ったのですが、反応ゼロ。内容が「資料請求の申し込み」で、2ステップ (( 購入までに2回のアクションが必要なマーケティング )) だったのも原因の一つだと思いますが。
中身が見えると、秘書が社長に内容を簡単に説明できるので、
秘書:「営業のDMみたいなんですけど、***の資料、必要ですか?」
社長:「え、よくわからないけど、いらないでしょ。忙しいし。」
てなことになったのではないかと思われます。
BtoCならまた違うと思いますが、透明封筒はちょっと「軽い感じ」なりますので、その辺りにも注意が必要だと思います。
「開封していただくための工夫」の3および4の手法としては、「大きい」、「重たい」、「分厚い」DMにする、というやり方があります。
私は、A4の紙がそのまま入る封筒に、20ページぐらいの資料をクリアファイルとともに入れていました。
それで、とりあえず、そのままでは捨てにくくなるようです。
(他にも、なにかゴツゴツしたものを入れるなどのやり方もあります。)
もちろん、すべての資料を社長が読んでくれるわけはないので、社長向けのメッセージを一枚、入れていました。私のDMでは、この「社長向けの一枚」がミソだったことは言うまでもありません。
この一枚は「DMを開封してもらう」ために入れているものではないので、中身については追って解説していこうと思います。